CLIENT COMMUNICATION / TERMINOLOGY
専門用語を削らず、
意味を翻訳する
分かりやすくするために専門用語を全部消すと、何を根拠に読んだのかまで消えることがあります。用語 → 意味 → 今回の相談への影響の順に翻訳します。
専門用語を消すと、根拠までぼやけることがある
たとえば「節入り」を「季節の変わり目」とだけ言い換えると、月柱が切り替わる具体的な計算境界という意味が薄くなります。「身強・身弱」を「メンタルが強い・弱い」に置き換えると、意味そのものが変わります。
分かりやすさは、正確な言葉を捨てることではありません。正確な言葉と、その意味を一緒に渡すことです。
基本形は「用語 → 意味 → 今回の影響」
辞書の定義だけで終わらず、今回の鑑定のどこへ効いているかまでつなぎます。
例:節入り
「節入りは、四柱推命で月を切り替える境界です。この日はその境界に近いため、日付だけでなく出生時刻まで確認して月柱を決めます。」
「節入り」という専門語を残しつつ、今回なぜ出生時刻が必要なのかまで伝えています。
例:身強・身弱
「ここでいう身強・身弱は、性格や体力が強い・弱いという意味ではありません。命式の中で、自分を表す日主が季節や他の五行からどの程度支えられているかを見る技術的な分類です。」
誤解されやすい日常語と重なる専門用語ほど、最初に「何ではないか」も短く添えると伝わりやすくなります。
「あなたは○○だから、こうです」と一段飛ばさない
専門用語があると、文章を短くできます。しかし、星名や強弱ラベルから人物断定へ直結すると、その間にある配置・組み合わせ・相談文脈が消えます。
顧客向け文章でも、必要な中間説明は残します。長くするためではなく、結論がどこから出たか分かるだけの線を残すためです。
不確実性は、最後の免責文ではなく本文に置く
「出生時刻が不明なので結果が異なる場合があります」と最後に書くだけでは、何が変わるか分かりません。
「出生時刻が確認できないため、時柱に依存する部分は確定させません。年月日だけで変わらない部分はそのまま読み、時刻で変わる部分だけ条件つきでお伝えします。」
不確実性の場所を具体的にすると、相談者は鑑定全体を曖昧だとは受け取りにくくなります。
専門家向けメモと、顧客向け文章は同じ情報量でなくていい
専門家向けメモには、採用ルール、反証、候補、流派差、保留理由まで残せます。顧客向け文章では、その全部を見せる必要はありません。
ただし、相談者向けに削るときも事実関係は変えない。専門家向けの情報を薄めるのではなく、相談者に必要な意味へ編集します。
削る基準は「難しいか」ではなく「今回必要か」
- この専門語は計算・判断の場所を正確に示しているか
- 相談者が結論を理解するために必要か
- 誤解されやすい日常語と重なっていないか
- 一文で意味を補えるか
- 今回の相談への影響までつながっているか
- 専門家向けメモにだけ残せば十分な論争・細部ではないか
専門性と読みやすさは、反対ではない
専門用語が多い文章が専門的なのではありません。必要な専門語を正確に使い、その意味を読者が追えることが専門的です。
HitoYomiの記事も鑑定書も、専門家が見て薄くなく、相談者が見て置いていかれない状態を目指します。